カシオ計算機が中国企業4社を相手に意匠権の侵害訴訟で勝訴

カシオ計算機といえば耐衝撃ウオッチ”G-SHOCK”が有名ですが、同社は中国における”G-SHOCK”の模倣品に悩まされてきました。
このため、中国での模倣品の製造や販売を防ぐために、中国特許庁に対して”G-SHOCK”のデザインに関する意匠登録出願を行い、登録された意匠権に基づいて中国企業に対して積極的に製品の差止請求や損害賠償請求を行っています。
この度、中国上海市の知的財産権専門の裁判所は中国企業4社の意匠権侵害を認める一審判決を下しました。
具体的には、中国の裁判所は、模倣品の製造や販売を直ちに停止し、約1.5億円の損害賠償金をカシオ計算機に連帯で支払うよう命じました。
カシオ計算機は2018年にも中国の広州にある時計メーカーを相手に意匠権侵害訴訟を提起し、2019年に、広東省深セン市中級人民法院の一審で勝訴しました。
この裁判でも、製造・販売の中止、および損害賠償金約7,000万円の支払いを命じる判決が下されました。

左:カシオの腕時計の文字盤の意匠権
右:中国企業が販売していた模倣品の腕時計の文字盤の画像
(Xinhua News 2021年2月1日 https://www.afpbb.com/articles/-/3329259

司法ルートと行政ルートの2つの方法で中国の模倣品を防止しよう

このように中国で意匠権を取得することにより司法ルートで模倣品の取締りを行う方法がありますが、裁判所に提起する場合は費用もそれなりにかかります。中国での模倣品の取締りを行うにあたり、司法ルートとは別に行政ルートがあります。
中国の当局も模倣品には悩まされており、積極的に模倣品の取締りを行っております。
このため、中国各行政区の地方政府に設置された管轄行政機関が、当事者からの侵害者の侵害行為に対する取締り請求に基づいて模倣品の取締りを行います。
行政ルートは、請求手続が簡単であり、行政機関が対応する行動が迅速であるとともに調査・処理が素早いという特徴があります。
このため、事件終結までの期間が短く、コストが低いなどのメリットがあります。
ただし、行政ルートでは損害賠償を請求することはできません。
また、行政機関のレベルが裁判所よりさほど高くないため、模倣品が意匠権を侵害しているか否かの判断が上手くいかないこともあります。
このような行政ルートを活用して模倣品の取締りを行う場合は意匠権、商標権または特許権が必要となります。
特許権に比べると意匠権は製品の外観を比較することになりますので、地方の行政機関の知的財産に対する理解がそれほど高くなくても適切な取締りを行うことができる確率が高くなるといえるでしょう。