個性的な住宅デザインの意匠権により他社の模倣の防止に成功

株式会社アールシーコアは、個性的な木の家(住むより楽しむBESSの家)を「ワンダーデバイス」シリーズとして販売しております。
同社は一貫したコンセプトに基づいた商品展開を行い、そのベーシックかつ個性的なデザインにより熱心な支持者を獲得するとともに、BESSブランドの認知度を高めてきました。
また、同社は組立家屋の意匠権を取得し、個性的なデザインを保護してきました。

アールシーコア社の意匠権(同社のプレスリリースより)

それに対し、競合他社が類似するデザインの家の販売を開始しました。
競合他社の模倣品の広告を発見したアールシーコア社は模倣会社との間で協議に踏み切りましたが、解決の見込みが立たなかったことから、やむなく意匠権を侵害しているとして訴訟を提起しました。
訴訟の判決では、アールシーコア社の主張を認め、「意匠権侵害」に当たると判断しました。
そして、意匠権に抵触する建物の販売等の中止や、損害賠償金の支払いが模倣会社に命じられました。

(アールシーコア社のプレスリリースより)

デザインの力をブランドの構築やイノベーション創出に活用しよう

アールシーコア社のプレスリリースによれば、住宅業界において「工業的に量産可能な住宅(組立家屋)が意匠法の保護対象である」ことの認識が薄く、結果として、住宅建設業者や建築主が安易にデザイン模倣を行っているケースが多く見受けられるとのことです。
また、多くの住宅建設業者が、自社のWEBサイトやSNS等で広告を行うことにより、これらの模倣行為が顕在化しているそうです。
このような模倣行為を防止するためにも、斬新な住宅デザインについては意匠権を取得することが望ましいといえるでしょう。
昨年4月には改正意匠法が施行され、動産としての組立家屋だけではなく、建築物も意匠権で保護可能となりました。
近年ではデザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法(デザイン経営)が経産省や特許庁で提唱されるなど、ブランドを構築するにあたりデザインを活用する事例が増えています。
せっかく素晴らしいデザインを思いついても他社に模倣されるとその効果は半減してしまうので、商品の販売やプレスリリースを行う前に意匠登録出願を行い、意匠権を取得することも検討しましょう。