特許権・実用新案権の取得

特許権とは、発明を保護するための権利のことをいいます。何か新しい発明をしたときに、その発明について特許権を取得しておかないと、第三者が勝手にその発明を実施して製品やサービスを模倣することを防止することができません。特許権を取得すると、自身の特許発明の実施を独占できると共に、第三者が無断でその特許発明を実施していればそれを排除することができます。また、実用新案権は、考案を保護するための権利です。特許権と似たような権利ですが、特許庁の審査官による実体審査を経ることなく実質的に無審査で登録されるという特徴があります。

特許権や実用新案権を取得するためには特許庁に対して特許出願や実用新案登録出願を行う必要があります。願書や明細書を作成し、特許庁に出願を行ってから権利取得までトータルで概ね60〜80万円の費用がかかります。大まかな費用テーブルは以下のようになっております。

事務所手数料特許庁手数料合計
特許出願・実用新案登録出願30~40万円1万4000円31〜41万円
審査請求時1万円14〜20万円15〜21万円
拒絶理由通知対応10〜15万円10〜15万円
(審判請求)(10〜15万円)(5〜15万円)(15〜30万円)
特許査定(成功報酬)・登録料納付10万円1〜5万円11~15万円
合計50万円〜16万円〜66万円〜

(なお、上記費用テーブルはあくまで目安であり、明細書のボリュームや難易度によってはは実際の費用が上記費用テーブルから外れる場合もあります。また、上記費用テーブルは拒絶理由通知が1回出されるケースについてのものであり、拒絶理由通知が出されずに出願後にそのまま特許査定となった場合は上記費用よりも安くなる可能性もあります)

意匠権の取得

意匠権とは、物品や画像のデザインに対して与えられる独占排他権です。意匠権の効力は、登録された意匠と同一または類似の範囲まで及びます。このため、意匠権を取得することにより、第三者による物品や画像のデザインの模倣や類似品の販売等を排除することができます。

意匠権を取得するためには特許庁に対して意匠登録出願を行う必要があります。願書や図面を特許庁に出願を行ってから権利取得までトータルで概ね20〜40万円の費用がかかります。大まかな費用テーブルは以下のようになっております。

事務所手数料特許庁手数料合計
意匠登録出願5〜10万円+図面代(実費)1万6千円10〜15万円
(拒絶理由通知対応)(10〜15万円)
(審判請求)(10〜15万円)(5〜15万円)(15〜30万円)
登録査定(成功報酬)・登録料納付5万円2万5,500円7万5,500円
合計15万円〜4万1,500円〜19万1,500円〜

(なお、上記費用テーブルはあくまで目安であり、図面のボリュームや枚数、難易度によっては実際の費用が上記費用テーブルから外れる場合もあります。また、上記費用テーブルは拒絶理由通知や拒絶査定が出されないケースについてのものでありますが、拒絶理由通知が出されて意見書、手続補正書により対応した場合は上記費用よりも高くなる可能性もあります)

商標権の取得

商標権とは、商品またはサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権であります。商標権は、ネーミングやロゴ等の商標そのものを独占する権利ではなく、その商標をある特定の商品・サービスについて使用することを独占する権利です。言い換えると、商標権は、常に「商標 × 指定した商品やサービス」のセットでの権利になります。

商標権の効力は同一の商標・指定商品等だけでなく、類似する範囲にも及びます。商標権の権利の存続期間は10年ですが、存続期間は申請により半永久的に更新することができます。

商標権を取得するためには特許庁に対して商標登録出願を行う必要があります。願書を作成し、特許庁に出願を行ってから権利取得までトータルで概ね20〜40万円の費用がかかります。大まかな費用テーブルは以下のようになっております。

事務所手数料特許庁手数料合計
商標登録出願5万円(3区分まで)
4区分以上は1区分につき1万円追加
3,400円+(区分数×8,600円)6万2,000円〜
(拒絶理由通知対応)(10〜15万円)(10〜15万円)
(審判請求)(10〜15万円)(1万5,000円+区分数×4万円)(5万円〜15万円)
登録査定(成功報酬)・登録料納付1万円区分数×3万2,900円
合計6万円〜4万4900円〜10万円〜

先行技術調査

新しい発明等について、出願対象となる自社の発明に関連する、世の中に知られている先行技術を調査します。このような先行技術調査を行うことにより、特許出願を行うか否かの見極めを行って無駄な出願を防止したり、特許明細書の作成の際に調査で見つかった先行技術を意識することによってより強固な特許権等を取得することができます。概算の事務所手数料は、簡単な調査だと概ね5〜10万円、報告書付きの本格的な調査の場合は概ね30〜50万円となります。

侵害予防調査・無効資料調査・鑑定

侵害予防調査は、製品やサービスの販売前に、その製品・サービスが他社の特許権等を侵害していないかを調査するものであります。また、無効資料調査は、相手の特許権等の権利を潰すために、先行技術となる資料を調査するものであります。また、鑑定は、自社や他社の商品やサービスが特定の特許権を侵害しているか否かの判断を行います。

このような侵害予防調査や無効資料調査、鑑定の事務所手数料は、それぞれ、簡単な調査や口頭による報告だと概ね5〜10万円、報告書や鑑定書付きの本格的な調査の場合は概ね30〜50万円となります。

顧問契約

顧問契約を締結することにより、弁理士による知的財産に関するきめ細かなサポートを行い、事業を行う上で知財に関するトラブルに巻き込まれてしまうことを未然に防止します。顧問契約にはベーシックプラン、スタンダードプラン、プレミアムプランの3つのプランがあります。各プランの詳細は以下の通りです。

ベーシックプランスタンダードプランプレミアムプラン
月額5万円月額10万円月額15万円
・週に1度の電話による相談受付
・簡単な技術分野ウォッチング
・知的財産全般に関する助言
・週に1度の電話による相談受付
・簡単な技術分野ウォッチング
・知的財産全般に関する助言
・発明発掘会議、商品開発会議への参加
・週に1度の電話による相談受付
・簡単な技術分野ウォッチング
・知的財産全般に関する助言
・発明発掘会議、商品開発会議への参加
・月に一度の訪問またはオンラインによる
経営層とのミーティング